初めて一人暮らしを始める方にとって、毎月の光熱費がいくらかかるのかは大きな関心事でしょう。
特にガス代は、使い方によって大きく変動するため「みんないくらくらい払っているの?」「うちのガス代って高すぎる?」といった疑問を持つ方も多いはずです。
実際、一人暮らしのガス代は都市ガスかプロパンガス(LPガス)かによって大きく異なりますし、地域や季節、生活スタイルによっても変わってきます。
今回は、一人暮らしのガス代の実態を詳しく解説し、今すぐ実践できる節約テクニックもご紹介していきます。
これから一人暮らしを始める方も、すでに一人暮らしをしていてガス代を見直したい方も、きっと参考になる内容になっているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
一人暮らしのガス代は平均どれくらい?
まずは、みなさんが一番気になる「一人暮らしのガス代の平均額」について見ていきましょう。
これらの平均額には都市ガスとプロパンガスの両方が含まれているため、実際の金額は使用しているガスの種類によって大きく変わることを念頭に置いて読み進めてください。
全国的な平均額は月3,000円前後
総務省統計局が発表している「家計調査(2024年)」によると、一人暮らし世帯のガス代の平均は月額3,056円でした。
この数字は、全国の一人暮らし世帯のガス代を平均したものなので、一つの目安として参考にできます。
ちなみに、過去数年間の推移を見てみると、2023年が3,359円、2022年が3,331円となっており、エネルギー価格の変動や社会情勢の影響を受けながらも、おおむね3,000円台前半で推移していることがわかります。
ただし、この平均額はあくまで「目安」として考えるのが良いでしょう。
なぜなら、都市ガスとプロパンガスでは料金体系が大きく異なるからです。
都市ガスを使っている方なら「平均より安いかも」と感じるでしょうし、プロパンガスの方は「うちの方が高いな」と思われるかもしれません。
実際のところ、一人暮らしでも月1,500円程度で済む場合もあれば、8,000円を超えるケースもあります。
この違いがどこから生まれるのかは、後ほど詳しく説明していきますね。
また、この平均額には地域差も含まれています。
北海道や東北地方など寒冷地域では暖房用のガス使用量が多くなりがちですし、反対に温暖な地域では比較的ガス代を抑えられる傾向があります。
出典:総務省統計局(家計調査 家計収支編 単身世帯)https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000797
季節によって変わる(冬は高く、夏は安い)
ガス代は季節によって大きく変動します。
これは、主にお風呂やシャワーで使うお湯の温度調整に必要なガス量が季節によって変わるためです。
ちなみに、この季節変動は地域によってもかなり差があります。
先述した通り、北海道や東北地方といった寒冷地方では冬のガス代がさらに高くなり、沖縄のような温暖な地域では季節による変動は比較的小さくなる傾向があります。
都市ガスとLPガスでこんなに違う
一人暮らしのガス代を考える上で絶対に知っておきたいのが、都市ガスとLPガス(プロパンガス)の料金差です。
同じガスでも、この2つは料金体系が大きく異なるため、どちらを使っているかによって月々のガス代が倍近く変わることもあります。
実際の数字を見ながら、その違いを詳しく解説していきましょう。
都市ガスの目安(安いケース)
都市ガスは、地下に埋設されたガス管を通じて各家庭に供給されるガスです。
一人暮らしの場合、都市ガスの月額料金は約2,000円から4,000円程度が一般的な範囲となっています。
また、料金も公共料金として規制されているため、急激な値上げが起こりにくいという特徴があります。
ただし、都市ガスにも地域差があります。
関東地方の東京ガス、関西地方の大阪ガス、中部地方の東邦ガスなど、地域によって料金体系が異なるため、同じ都市ガスでも住んでいる場所によって料金は変わってきます。
また、2017年のガス自由化以降、都市ガスでも電力会社系のガス会社や新電力会社がサービスを提供するようになり、より安いプランを選べるようになりました。
一人暮らしでも、プランを見直すことで月数百円の節約ができる可能性があります。
LPガスの目安(高めになるケース)
LPガス(プロパンガス)は、ボンベに入ったガスを各家庭に配送して使用するガスです。
一人暮らしでLPガスを使用している場合、月額料金は約5,500円から9,500円程度になることが多く、都市ガスと比べて1.5倍から2倍程度高くなる傾向があります。
LPガスが高い理由はいくつかありますが、まず、ボンベでの配送コストがかかることが挙げられます。
そして、各ガス会社が自由に料金を設定できる自由料金制であること。
さらに、設備の維持管理費用も料金に含まれているためです。
特に注意したいのは、LPガスの料金も地域やガス会社によって大きく異なることです。
同じ地域でも、ガス会社によって月1,000円以上の差が出ることも珍しくありません。
ただし、戸建て賃貸や持ち家の場合は、ガス会社を変更することで大幅な節約が可能な場合がありますので、複数のガス会社から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
自分がどちらを使っているか確認する方法
「うちは都市ガスとプロパンガス、どっちなんだろう?」と疑問に思った方も多いでしょう。
実は、確認方法はとても簡単で、最も確実な方法は、ガスメーターを見ることです。
屋外にあるガスメーターに「都市ガス用」または「LP用」という表示があるので、そこで判断できます。
都市ガスの場合は「13A」や「12A」といった数字が書かれていることが多く、LPガスの場合は「LP」や「プロパン」と明記されています。
また、ガス器具を見ても判断できます。
ガスコンロの場合、都市ガス用には「13A」「12A」、LPガス用には「LP」「プロパン」と表示されています。
間違った種類のガス器具を使うと危険なので、この表示は必ずチェックしてくださいね。
検針票や請求書でも確認することができ、都市ガスの場合、「○○ガス株式会社」といった大手ガス会社名が記載されていることが多いです。
一方、LPガスの場合は地域の小規模なガス会社名が記載されていることが一般的です。
賃貸物件を探している段階なら、不動産会社に確認するのが一番で、「都市ガス物件希望」と伝えれば、該当する物件を紹介してもらえます。
ただし、都市ガスが利用できる地域は限られているため、地方部では選択肢が少ない場合もあることを理解しておきましょう。
新築や引っ越しの際にガス器具を購入する場合は、必ず使用するガスの種類を確認してから購入してください。
ガス代が高くなる主な原因
「なんだかうちのガス代、高すぎるような気がする…」そんな風に感じたことはありませんか?
ガス代が予想以上に高くなってしまう原因は、実は日常生活の中にたくさん潜んでいます。
一人暮らしの場合、特にどんなことがガス代を押し上げているのか、具体的な原因を見ていきましょう。
これらの原因を知ることで、効果的な節約対策も見えてきますよ。
お風呂・シャワー(給湯)
一人暮らしのガス代の中で最も大きな割合を占めるのが、お風呂とシャワーなどの給湯関連です。
実際、家庭で使用するガスの約7割から8割が給湯に使われているといわれています。
シャワーの使い方一つでガス代は大きく変わります。
例えば、毎日15分のシャワーを浴びている人と5分で済ませている人では、年間で数万円の差が出ることもあります。
1分間シャワーを出しっぱなしにすると、約12リットルのお湯を使うことになり、都市ガスで約5円、LPガスなら約12円のガス代がかかります。
体を洗っている間もシャワーを出し続けていると、実際に体にお湯をかけている時間の2倍、3倍のガスを消費してしまうことになります。
また、お湯の温度設定も重要なポイントで、給湯器の設定温度が1℃違うだけで、年間のガス代に数千円の差が出ることがあります。
冬場に45℃の高温設定にしている人と、40℃の適温設定にしている人では、年間で約7,000円以上の違いが生まれる可能性があります。
さらに、浴槽にお湯を張る場合も、湯量によってガス代は大きく変わります。
一般的な浴槽(200リットル)に毎日お湯を張ると、都市ガスで月約2,000円、LPガスなら月約4,800円程度のガス代がかかります。
そして、追い焚き機能の使用頻度も要注意です。
お湯が冷めるたびに追い焚きをしていると、思った以上にガス代がかさみます。
特に冬場は放熱が早いため、追い焚きの回数が増えがちです。
料理(自炊の頻度)
自炊の頻度や料理の仕方も、ガス代に大きな影響を与えます。
毎日しっかりと料理をする人と、週に数回程度の人では、月のガス代に1,000円以上の差が出ることも珍しくありません。
ガスコンロの使い方によってもガス代は変わります。
強火でガンガン炒め物を作るのと、中火でじっくり煮込み料理を作るのでは、同じ調理時間でもガスの消費量が異なります。
また、複数のコンロを同時に使うことが多い人は、それだけガス代も高くなります。
フライパンを必要以上に長時間空焚きしたり、オーブンの予熱を長時間行ったりすると、その分ガス代がかさみます。
また、料理の効率性も重要で、毎回少量ずつ調理するよりも、まとめて作って冷凍保存する方がガス代の節約になります。
お湯を沸かす頻度も意外とガス代に影響します。
お茶やコーヒーを飲むたびに少量のお湯を沸かすよりも、まとめて沸かして魔法瓶に入れておく方が効率的です。
食器洗いでお湯を使う頻度も見直してみましょう。
冬場は特に、食器洗いでお湯を使いがちですが、ここでもガス代がかかっています。
汚れの軽い食器なら水洗いで十分な場合も多いので、使い分けることが大切です。
地域・季節の影響
住んでいる地域や季節による影響も、ガス代を左右する重要な要因です。
これらは個人の努力だけではコントロールしにくい部分ですが、理解しておくことで適切な対策を立てることができます。
地域による違いは想像以上に大きいものです。
北海道や東北地方のような寒冷地域では、冬場の水道水温度が非常に低くなるため、お湯にするまでに多くのガスが必要になります。
一方、沖縄や九州南部のような温暖な地域では、年間を通じて水道水の温度が比較的高いため、ガス使用量を抑えることができます。
これは単純に水道水の温度差によるもので、札幌の冬場の水道水は5℃程度なのに対し、那覇では20℃程度あるためです。
また、標高の高い地域では気圧が低いため、ガスの燃焼効率が下がり、平地よりもガス使用量が多くなる傾向があります。
山間部にお住まいの方は、この点も考慮しておく必要があります。
季節による影響も無視できません。
前述した通り、冬場はお湯を作るのに多くのガスが必要になりますが、それ以外にも暖房用途でガスを使用する場合があります。
ガスファンヒーターやガス暖房を使っている家庭では、冬場のガス代が夏場の3倍以上になることも珍しくありません。
風の強い地域や、住宅の断熱性能が低い古い建物では、お湯が冷めやすいため追い焚きの頻度が増え、結果的にガス代が高くなることもあります。
建物の構造による影響も見逃せません。
最上階の部屋は屋根からの放熱で給湯器の効率が下がることがありますし、北向きの部屋は給湯配管が冷えやすいため、お湯が出るまでに時間がかかり、その分ガスを多く消費することもあります。
今すぐできる!ガス代の節約ポイント

ここまでガス代が高くなる原因を見てきましたが、いよいよ実践的な節約方法をご紹介していきます。
これらの方法は特別な道具や大きな工事は必要なく、今日からでも始められるものばかりです。
一つ一つは小さな節約でも、積み重ねることで年間数千円から数万円の節約効果が期待できますよ。
無理のない範囲で、できることから始めてみてくださいね。
シャワー時間を短くする
シャワー時間の短縮は、ガス代節約の王道といえる方法です。
でも、ただ「短くしよう」と思うだけでは続かないので、具体的なテクニックをお教えします。
まず、現在のシャワー時間を測ってみましょう。
平均的な一人暮らしの方のシャワー時間は10分から15分程度ですが、これを5分短縮するだけで年間約12,000円(LPガスの場合)の節約になります。
効果的なシャワー時間短縮のコツは「段取り」です。
シャワーを浴びる前に、体を洗う順序を決めておきましょう。
例えば「髪→顔→体の上から下へ」という具合に、効率的な順序を決めることで無駄な時間を削減できます。
「シャワーを止める習慣」をつけることも重要です。
体を洗っている間、髪にシャンプーをつけている間、コンディショナーを浸透させている間は、シャワーを止めましょう。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば自然にできるようになります。
また、シャワーヘッドを節水タイプに交換するのも効果的です。
節水シャワーヘッドは3,000円程度で購入でき、水量を約30%削減しながらも満足感のあるシャワーを楽しめます。
初期投資は必要ですが、数ヶ月で元が取れる計算になります。
冬場は特に「体を温めておく」ことが時短につながります。
一人暮らしの場合、17分以上シャワーを浴びると、浴槽にお湯を張るよりもガス代が高くなってしまいます。
この「17分ライン」を意識して、それ以下に抑えることを目標にしましょう。
お湯の温度設定を下げる
給湯器の温度設定を見直すことも、簡単で効果的な節約方法です。
多くの人が必要以上に高い温度に設定している可能性があります。
一般的に、給湯器の設定温度は42℃から45℃に設定されていることが多いのですが、実は40℃でも十分快適にシャワーを浴びることができます。
設定温度を1℃下げるだけで、年間約3,000円(都市ガス)から7,000円(LPガス)の節約効果があります。
季節に応じて温度調整をするのも効果的で、夏場なら38℃程度でも十分に暖かく感じますし、冬場でも41℃あれば快適ですので「季節ごとに温度を見直す」という習慣をつけましょう。
ただし、温度を下げすぎると風邪を引いてしまう可能性もあるので、無理は禁物ですよ。
また、食器洗いの温度設定も見直してみましょう。
食器洗いなら35℃程度でも十分汚れは落ちますし、夏場なら水でも問題ありませんので、用途に応じて温度を使い分けることで、さらなる節約が可能になります。
給湯器によっては「エコモード」や「節約モード」が搭載されているものもあります。
これらの機能を活用することで、自動的に効率的な運転を行ってくれますので、取扱説明書を確認して、こうした機能があれば積極的に使いましょう。
まとめて料理をする・電気調理器を活用する
料理の仕方を工夫することで、ガス代を大幅に節約することができます。
一人暮らしならではの「まとめ調理」と「電気調理器の活用」が特に効果的です。
まとめて料理をする「作り置き」は、ガス代節約の強い味方です。
週末などに数日分のおかずをまとめて作ることで、毎日少しずつガスを使うよりも効率的になります。
一つのコンロで複数の料理を同時に作る「重層調理」もおすすめです。
例えば、大きな鍋でパスタを茹でながら、その上にザルを置いて野菜を蒸すといった方法です。
ガス代は1つ分で、2つの調理ができます。
電気調理器の活用も見逃せません。
電子レンジ、トースター、電気ケトル、炊飯器などの電気調理器は、ガスよりもエネルギー効率が良い場合があります。
特に電気ケトルは、少量のお湯を沸かす際にとても効率的で、コーヒー1杯分のお湯なら、ガスコンロよりも電気ケトルの方が安上がりになることが多いです。
炊飯器も見直してみましょう。
ガスでご飯を炊くよりも、電気炊飯器の方がトータルコストが安い場合があります。
また、炊飯器の保温機能を使えば、まとめて炊いたご飯を小分けして冷凍保存し、食べる分だけレンジで温めることで、さらに節約できます。
電子レンジを使った「レンジ調理」も積極的に取り入れましょう。
野菜の下茹で、肉の下処理、簡単な蒸し料理などは、ガスを使わずにレンジで済ませることができます。
調理器具の選び方も重要で、熱効率の良いフライパンや鍋を使うことで、同じ料理でもガス使用量を削減できます。
底が平らで厚みのある調理器具は熱が均等に伝わりやすく、効率的です。
賃貸なら契約ガス会社を確認してみる
賃貸住宅にお住まいの方でも、場合によってはガス会社を変更できる可能性があります。
特にプロパンガスを使用している場合は、ガス会社の変更で大幅な節約が期待できます。
まずは、現在のガス契約がどのようになっているかを確認しましょう。
アパートやマンションの場合、建物全体で一括契約している場合と、各戸で個別契約している場合があります。
管理会社や大家さんに「ガス会社の変更は可能か」を確認してみることから始めましょう。
個別契約の場合や、大家さんの了承が得られた場合は、同じ地域でも、ガス会社によって料金が大きく異なることがあるため、複数のガス会社から見積もりを取ってみることをおすすめします。
ガス会社を比較する際は、基本料金と従量料金の両方をチェックしましょう。
基本料金が安くても従量料金が高い場合や、その逆のケースもあるため、自分の使用量に応じて、どちらがお得になるかを計算することが大切です。
ただし、ガス会社を変更する際は、いくつか注意点があり、契約期間の縛りがある場合、解約金が発生する可能性があります。
また、工事費用が必要になる場合もあるので、トータルコストで判断することが重要です。
賃貸住宅でガス会社の変更が難しい場合でも、現在のガス会社に料金プランの見直しを相談してみる価値があります。
長期契約割引や省エネ機器割引など、お得なプランが用意されている場合があります。
また、引っ越しを検討している方は、次の住まい選びの際に「都市ガス物件」を優先的に探すことをおすすめします。
初期費用は多少高くなっても、長期的に見れば大幅な節約になる可能性が高いからです。
まとめ
一人暮らしのガス代について、平均額から具体的な節約方法まで詳しく解説してきました。
一人暮らしのガス代の平均は月額3,056円ですが、都市ガスなら2,000円~4,000円程度、LPガスなら5,500円~9,500円程度と大きな差があります。
ガス代の約7~8割は給湯が占めるため、シャワー時間を17分以内に抑える、給湯温度を1℃下げる、まとめ調理をするといった工夫で年間数千円から数万円の節約が可能です。
賃貸でもガス会社の見直しができる場合があるので、一度確認してみることをおすすめします。
これらの節約方法は今日からでも始められるものばかりですので、無理のない範囲で実践して、快適でお得な一人暮らしを楽しんでくださいね。